清水健介 整体・気功院 心身調律研究所

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ライフストーリー:03 ネクタイは奴隷のしるし?

インドで感じたエネルギー

そんな風に旅を続ける中で、強く印象に残ったことが一つあります。それは、物質的に恵まれていない、いわゆる「発展途上国」の国々の人達のもつパワーでした。

特にインドで強く感じたことですが、圧倒的に人の発するエネルギーが違い、彼らの目には「生」が強く宿っていました。そして中でも、何も持たず、身一つでインド各地を流れ歩く、行者達の姿にたまらない「美」と「自由」を感じました。

インド

自分は絶対こうなりたくない

ひるがえって物にあふれかえった日本を見てみると、満員電車に揺られる人々は、その時の僕にはどうみても、「死にかけ」のゾンビの群れにしか見えませんでした。鎖で奴隷船につながれる奴隷達さながらに、ネクタイに縛られ、常識に縛られて、電車に運ばれて行く姿をみていて、自分は絶対こうなりたくない。と、今考えると大変失礼なことを考えておりました。

「ここではないどこか」を探して

もしあの時に、今ご縁がある様な、自分の仕事や生き方に情熱と誇りをもって、「生き生き」と生きている魅力的な方達と出会えていれば、人生は全く違った方向に行っていただろうと思います。

が、当時はそんな出会いもなく、何を求めているのか、何をしたいのか、それは全く分からなかったけれど、「死んだ目」をして生きて行くのだけは嫌だったので、皆が就職活動に励む中、休学をすることにしました。「ここではないどこか」に行けば、全てがうまくはまる場所がある。そう信じていました。

あてのない放浪

当時は海と島が好きだったので、まずまた沖縄に向かい、西表島で写真をとったり、人口50人の小さな小さな島でかもの世話をしたり。そんなことをしながらお金を稼ぎ、カリブの島々を旅して巡り、旅仲間に誘われてそのままスペイン、モロッコへ。そのあたりで一年が過ぎました。一度日本に帰ってきて、今度は北海道へ向かい、牧場で働いてお金を貯めて、今度はアラスカへ。アラスカが寒かったので、次は暖かい所へ行こうとメキシコへ。と、あてどなく放浪を続けていました。

そんな風にして二年が経ち、「非日常」であった旅が「日常」になり、好奇心も磨耗して、新鮮さも感動も薄れ、あるはずもないユートピアを探すことにも疲れ、旅を続ける目的も分からなくなり、しかたがなく帰ってきて、復学し、卒業し、東京で働き始めました。